レンズの曇りなんて、いくらでもごまかせます|書き方ひとつで売れ方は変わる
オークションサイトやフリマサイトを見ていると、光学コンディションの欄に「レンズ内にクモリがあります。詳細は写真をご確認ください」とだけ書かれた商品をよく見かけます。
クモリがあっても、必要とする人がいれば売れる可能性はあります。
ただ、購入者には程度や撮影への影響が分からないことがほとんどです。「レンズ内にクモリがあります。」と記載があるだけで敬遠されたり、実際より重く受け取られたりします。また、届いたあとの認識違いから返品や低評価につながるかもしれません。
では、どう書けば判断しやすくなるのか。
今回はレンズの「クモリ」に焦点を当て、確認方法、写真の見せ方、商品説明の内容を販売者向けに整理します。
必ず高く売れる、クレームを防げるという話ではありません。
それでも必要な情報を商品ページに記載することで納得して選んでもらうための土台になります。
◇レンズのクモリは、写真では見えなくなる
先に、身も蓋もないことを書きます。
レンズのクモリは、出品写真の撮り方次第で見えなくできます。角度を少し変える。光を当てない。背景を選ぶ。
それだけで、クモリのあるレンズが一見きれいに写ることは珍しくありません。
実際に下の写真はすべて同じレンズですが、写真の撮り方を少し変えるだけでこれだけ見え方が変わります。
※写真には一部チリも写っていますが、今回はクモリの見え方に注目してください
つまり、一枚の写真だけでは、レンズの状態を正確に判断できないことがあります。見せ方次第で、実際よりきれいな状態に見せることもできるということです。
もちろん、出品者が意図して隠しているとは限りませんし、気づかないまま出品していることもあります。
実際に写真撮影を外部へ依頼した場合、光学の状態まで確認されていないこともあります。
そもそも、写真だけでレンズの状態を判断したり、表現したりするのは簡単ではありません。
◇「クモリあり」と書くだけでは、なぜ売れにくいのか
では、正直に「レンズ内にクモリあり」と書けば十分と言えるのでしょうか。何も書かないより誠実ですが、クモリの程度や撮影への影響が分からなければ、自分の用途に合うか判断できません。
少し高くても状態の分かる商品やクモリのない商品を選びたくなるのは自然です。
つまり、クモリそのものより「状態が分からないこと」が購入を止めています。
もし正直に書いても売れない、安くしないと売れないのであれば判断材料が足りないのかもしれません。
◇程度と影響が分かれば、選択肢に戻る
適切に検品し、実際に試写したのであれば、たとえば次のように書けます。
※商品説明へ記載する際は、実際に確認した条件と結果の範囲にとどめることが大切です。
「レンズ内に薄いクモリがあります。順光で撮影した範囲では、目立つ影響を確認できませんでした。強い光を画面内に入れるとフレアが出る場合があります。クモリの状態と作例は、掲載写真をご確認ください」
室内と屋外の両方で試写した場合は、次のような書き方もできます。
「レンズ内に薄いクモリがあります。室内で試写した範囲では、目立つ影響を確認できませんでした。屋外では、強い光が画面内に入る条件でフレアが確認できました。作例を掲載していますので、あわせてご確認ください」
これなら購入者は、「逆光撮影が多いから避けよう」「室内撮影が中心だから候補に入れよう」と考えられます。大事なのは、売り手が“問題ない”と決めず、買い手が判断できる材料を渡すことです。
◇作例は、きれいな一枚だけでは足りない場合もある
クモリの影響は撮影条件によって大きく変わります。
「薄いクモリなら影響しない」と一概には言えません。順光では気にならなくても、強い光が入るとフレアで画面が白っぽくなったり、コントラストが落ちたりすることがあります。
下の写真のように同じ被写体を近い設定で撮り、2枚を並べると差が伝わります。
右の写真では、太陽光が入り込んだことでフレアが確認できます。
作例はその条件での結果なので、「影響はありません」ではなく、「掲載した条件では目立つ影響を確認できませんでした」と書くほうが正確です。
◇クモリは3段階くらいに分けると書きやすい
検品では、クモリを見つけるために必要な光の強さで、大まかに3段階へ分けると説明しやすくなります。
・明るい室内で見ただけでも分かる
・蛍光灯などの照明に透かすと分かる
・スマートフォンのライトなど、強い光を透過させてようやく分かる
これは厳密な等級ではなく、説明を整理する目安になります。商品説明に記載する際はどのようにしたらクモリが確認できたのか記載しましょう。
またどの段階から記載するか、ご自身の出品基準を決めておけば毎回迷わずに済みます。
◇説明を書く前に、クモリを見つけられているか
詳しく書くには、まず出品者自身がクモリに気づかなければなりません。正面から覗くだけでは、背景に隠れて見えないことがあります。最低限、照明に透かし、角度を変えて確認しましょう。
また確認するときは絞りを開け、前玉側と後玉側の両方から見ます。強い光を直接目に入れないよう注意しながら、チリ、カビ、クモリ等を分けて確認してください。
下の写真は、
上の段は、明るい部屋で見た状態
下の段は 、左が蛍光灯などの照明に透かした状態 右が太陽光を透過させた状態となります。
今回の場合においては、蛍光灯などの照明に透かすとクモリがあることが分かります。
◇書き方は、そのまま店の信頼になる
状態を良く見せれば、その場では売りやすいかもしれません。しかし、受け取った時点で状態は分かります。反対に、クレームを恐れるあまり何でもジャンク扱いにするとまだ使用できる個体まで選ばれにくく、安売りすることになってしまいます。
見えた状態を程度まで含めてしっかりと記載し、必要に応じて作例を添える。
これを積み重ねると、「この出品者の説明なら判断できる」という信頼につながります。商品説明は、その一台だけでなく、次の取引にもつながります。
◇まとめ
レンズのクモリは、写真の撮り方で見え方が大きく変わります。「クモリあり」の一言だけでは、購入者は状態を判断できません。
クモリの状態と必要に応じて作例まで示す。そうすれば、買う側は自分の用途に合わせて購入するかどうかを判断できます。
クモリ自体より、状態が分からないことが購入を妨げる。これを意識すれば、商品説明は変わります。
とはいえ、仕入れたレンズを一本ずつ光に透かし、角度を変え、必要に応じて順光と逆光で試写し、その結果を文章にするには時間がかかります。
お気楽便では光学の状態の詳細写真や作例、必要に応じて動画でお伝えしています。出品説明に使いやすい形でもお返ししていますので、検品に時間を取られている場合は、1点からご相談いただけます。
